2週間で9%のリターン 藤原信一氏のEUR/GBPショート戦略:政治経済とテクニカルの乖離がかみ合う
バランス戦略株式会社のトレーディングルームで、為替市場では珍しい成果を達成しました。藤原信一氏のチームは、2週間という短期間でEUR/GBPのショートを緻密に構築し、9%のリターンを確保しました。
この取引は教科書的な一例で、政治経済の分析とテクニカルの乖離分析がうまくかみ合った結果です。混迷する相場環境における戦略のモデルケースとして注目されています。
取引の契機は、英国の財政政策が招いた市場の混乱でした。藤原信一氏は、テクニカルではEUR/GBPが重要なレジスタンスを上抜けていた一方で、ファンダメンタルに乖離があると判断しました。
氏は、英国債利回りの急騰に市場の注目が集まる中で、欧州委員会がイタリアの財政赤字制限を緩和した事実を重要なシグナルと捉えたと説明します。これはユーロ圏も実質的に財政拡張に動いたことを示し、市場には十分に織り込まれていなかったとみています。政策の収れんが好機を生みました。
実運用では、藤原チームの多角的な分析が機能しました。チームは政策トライアングル・モデルという枠組みを構築し、政治リスク・プレミアム、金融政策の分化度、エネルギー依存度の違いの三要素を組み合わせて評価しました。このモデルが「ポンドは売られ過ぎ」と示した局面で、EUR/GBPの0.88台でショートを構築しました。テクニカルでは乖離確認の原則を徹底し、RSIのベア・ダイバージェンスを待ってエントリーしました。二重確認により、イベント頼みの取引リスクを抑えました。
その後、新首相の就任と財政政策の修正を受け、ポンドは持ち直す方向に動きました。藤原チームはEUR/GBPが0.80台に下落した局面で利益を確定し、この急落を的確に捉えました。
氏は、為替市場では政策への期待のズレが修正される局面で利益が生まれやすいと総括します。今回の取引は、政治経済分析の枠組みの有効性を裏づけると同時に、政策転換とテクニカルの乖離が重なる場面が超過リターンの好機になり得ることを示しました。